◉温帯低気圧
北緯および南緯30度~60度の中緯度帯で生じる低気圧。
前線をともなっている。
日本付近では「左下(南西)に寒冷前線」「右下(南東)に温暖前線」がのびていることが多い。
温帯低気圧は日本の北側にある寒気団と南側にある暖気団、偏西風の影響によって生じます。
↓の図のように寒冷前線と温暖前線をともなっているのが特徴です。
低気圧による風をおおまかに表すと↓のようになります。
右から「南東の風 → 南西の風 → 北西の風」となっています。
↓の温帯低気圧をXYの赤線の部分で切って、その断面を見てみましょう。
↑の図のように雲が分布しています。
右から「乱層雲 → 温暖前線 → 雲なし(晴れ)→ 寒冷前線 → 積乱雲」となっています。
以上をまとめると↓の図のようになります。
↑のように右・真ん中・左の3つのエリアにわけて、天気の特徴を覚えておくと良いと思います。
それぞれのエリアでの天気の特徴をまとめます。
寒気があるので気温が低い・乱層雲による雨・南東の風
暖気があるので気温が高い・雲がなく晴れ・南西の風
寒気があるので気温が低い・積乱雲による雨・北西の風
北海道の西に温帯低気圧があったときを考えてみましょう。↓
温帯低気圧は偏西風によってもうすぐ北海道に上陸、というようすです。
北海道の観測者はまず先ほどの
右のエリア(気温が低い・乱層雲による雨・南東の風)
に入り、その影響を受けます。
次に
真ん中のエリア(気温が高い・晴れている・南西の風)
の影響を受けます。
そして最後に
左のエリア(気温が低い・積乱雲による雨・北西の風)
の影響を受けます。
(しかし積乱雲の雨は短時間なので、すぐやみます)
つまり北海道にいる観測者の目線では、「天気・気温・風向」が次のように変化します。
▶気温 : 温暖前線通過によって上昇 → 寒冷前線通過によって下降
▶風向 : 温暖前線通過によって南寄りに → 寒冷前線通過によって北寄りに
温帯低気圧の接近した地域では、おおよそ上記のように天気が変化します。
特に重要なのは寒冷前線通過後の変化です。
寒冷前線通過によって
・気温が下がる
・風向が南寄りから北寄りに変化する
の2点を必ず覚えておきましょう。
◉閉塞(へいそく)前線
寒冷前線が温暖前線に追いついてできる前線。
温帯低気圧の移動にともない、寒冷前線が温暖前線に追いつくことがあります。
これによって閉塞前線が生じます。↓
断面の様子は2種類考えられます。↓
閉塞前線ができるとやがて地上付近は寒気におおわれることになります。
上昇気流も発生せず、温帯低気圧は徐々におとろえてしまいます。
次回は「四季の天気」です!