成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#80~露頭の観察~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

1.複雑な地形のでき方

 

 

●露頭

 

地層がむき出しになって露出しているところ。

 

 

 

●断層のでき方

 

・地層を引っ張るような力がはたらくと正断層ができる。

 

・地層を押し縮めるような力がはたらくと逆断層ができる。

 

→地層に力がはたらき、切断されたようになります。

 

 

 

●不整合面のでき方

 

①土地が隆起する。

 

②土地が風化・侵食される。

 

③土地が沈降する。

 

④沈んだ土地に新たな層が堆積する。

 

→地層が削られ(風化・侵食)、不整合面が生じます。

 

 

 

露頭を観察していると断層や不整合面が観察されることがあります。

 

では断層と不整合面が同時に見られる露頭について考えてみましょう。

 

※以下では地層の上下の逆転などはなかったものとします。

 

 

 

 

例1.不整合面と断層が同時に見られる場合

 

 

 

この地層はどのような順序でできたのか考えてみましょう。

 

 

この地層では

 

・A層が堆積した

 

・B層が堆積した

 

・不整合面PQができた

 

・断層XYができた

 

 

という出来事が起こったと考えられます。

 

 

 

ここで

 

・A層は削られた (→そして不整合面PQができた)

 

・A層は切断された(→そして断層XYが生じた)

 

・B層は削られていない

 

・B層は切断されていない

 

 

ことから

 

 

A層が堆積した → 不整合面PQや断層XYができた → B層が堆積した

 

という順序であることがわかります。

 

 

 

 

ここで問題は不整合面PQと断層XYのどちらが古いか(どちらが昔にできたか)です。

 

 

 

 

可能性としては

 

① 不整合面PQが切断された(→そして断層XYができた)

 

② 断層XYが削られた(→そして不整合面PQができた)

 

 

のどちらかです。

 

 

 

この場合は

 

② 断層XYが削られた

 

 

と考えるのが妥当です。

 

 

 

よって

 

断層XYができた → 不整合面PQができた

 

の順であると考えられます。

 

 

 

まとめると

 

 

A層が堆積した → 断層XYができた → 不整合面PQができた → B層が堆積した

 

という順であると考えられます。↓

 

 

 

 

最後に露頭となって地表に出てくるので

 

A層が堆積した → 断層XYができた → 不整合面PQができた → B層が堆積した

 

→ 地層全体が隆起して露頭となった

 

と考えられます。

 

 

 

 

例2.不整合面と断層が同時に見られる場合②

 

 

 

この地層はどのような順序でできたのか考えてみましょう。

 

 

 

この地層では

 

・A層が堆積した

 

・B層が堆積した

 

・不整合面PQができた

 

・断層XYができた

 

という出来事が起こったと考えられます。

 

 

 

ここで

 

・A層の上にB層がある

 

 

ことから

 

A層が堆積した → B層が堆積した

 

の順であることがわかります。

 

 

 

また

 

・A層は削られた(→そして不整合面PQができた)

 

・B層は削られていない

 

ことから

 

A層が堆積した → 不整合面PQができた → B層が堆積した

 

という順序であることが考えられます。

 

 

 

さらに

 

・A層は切断された(→断層XYができた)

 

・B層は切断された(→断層XYができた)

 

 

ことから

 

A層が堆積した → 不整合面PQができた → B層が堆積した → 断層XYの形成

 

という順序であると推測できます。

 

 

 

 

まとめると

 

A層が堆積した → 不整合面PQができた → B層が堆積した → 断層XYができた

 

という順序と考えられます。↓

 

 

 

 

最後に露頭となって地表に出てくるので

 

A層が堆積した → 不整合面PQができた → B層が堆積した → 断層XYができた

 

→ 地層全体が隆起して露頭となった

 

と考えられます。

 

 

 

 

例3.マグマの貫入が見られる場合

 

 

 

今度は火成岩が見られる地層です。

 

火成岩はマグマが冷え固まってできる岩石です。

 

 

つまり、地層の中にマグマが入り込んできた(マグマの貫入)と推測できます。

 

 

このような地層はどのような順序でできたのか考えてみましょう。

 

 

 

まずは火成岩Cは無視して

 

・A層が堆積した

 

・B層が堆積した

 

・不整合面PQができた

 

・断層XYができた

 

 

の4つの出来事について、先ほどと同じように考えます。

 

 

すると

 

A層が堆積した → 断層XYができた → 不整合面PQができた → B層が堆積した

 

という順序であることがわかります。

 

 

 

ここでマグマの貫入について考えましょう。

 

図を見ると

 

・断層XYはマグマに貫かれた(→そして火成岩Cができた)↓

 

 

 

 

・マグマは削られた(→そして不整合面PQができた)↓

 

 

 

 

となっているので

 

A層が堆積した → 断層XYができた → マグマの貫入があった → 不整合面PQができた

 

→ B層が堆積した

 

という順であると推測できます。

 

 

 

最後に露頭となって地表に出てくるので

 

A層が堆積した → 断層XYができた → マグマの貫入があった → 不整合面PQができた

 

→ B層が堆積した → 地層全体が隆起して露頭となった

 

と考えられます。

 

 

 

- POINT -

 

日本語で考えるのがポイントです。

 

〇〇切断された・・・「〇〇ができた → 断層ができた」の順番

 

〇〇削られた ・・・「〇〇ができた → 不整合面ができた」の順番

 

〇〇はマグマに貫かれた・・・「〇〇ができた → マグマの貫入があった」の順番 

 

次回は「生態系」です!