成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#102~仕事と仕事率~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

 

 

 

 

前回 グラフと移動距離

 

 

 

1.仕事

●仕事

 

物体に力を加えて、力の向きに物体を動かすこと。単位はJ(ジュール)。

 

次のように求める。

 

仕事(J)= 力(N)× 力の向きに動いた距離(m)

 

 

 

 

仕事は、力を加えてその力の向きに物体を動かすことをいいます。

 

加える力の向きと物体の動く向きが一致していなければなりません。

 

それが一致していないと、仕事をしたことにはなりません。(仕事は0J)

 

いくつかの例を見てみましょう。

 

 

 

 

 

例1

【問題】

一定の速さで糸を引きながら、物体を持ち上げます。仕事は何Jでしょう?

 

 


 

 

【解答】

 

10Nの重さの物体を動かすには、10Nの力を上向きに加える必要があります。

 

そして上向きに2m動かしているので

 

 

仕事(J)= 10N×2m=20J

 

 

となります。

 

 

よって答えは20Jです。

 

 

 

このように、仕事の計算をするときは

 

「加える力の向き」と「物体の動く向き」が一致している必要があります。↓

 

 

 

 

 

 

例2

【問題】

糸に上向きの力を加えながら、真横に一定の速さで動かします。仕事は何Jでしょう?

 

 


 

 

【解答】

 

よくある間違いは「10N×2m=20N」としてしまうことです。

 

 

この場合、手は10Nの力を上向きに加えています。その状態で物体を真横に動かしています。

 

 

これでは「加えている力の向き」と「物体の動く向き」が一致していないのです。↓

 

 

 

 

 

そのためこの場合は仕事をしたことになりません。

 

仕事の量は0Jとなります。

 

 

 

 

例3

【問題】

斜面上にある物体についた糸を一定の速さで引きます。仕事は何Jでしょう?

 

 


 

 

【解答】

 

「20N×5m」か「20N×3m」か、迷う人がいるかもしれません。

 

もう一度確認しておきます。

 

 

仕事の計算では「加える力の向き」と「物体の動く向き」が一致している必要があります。

 

 

今、右上の方向に20Nの力を加えています。そして右上に5m引いていますね。↓

 

 

 

 

したがって

 

仕事=20N×5m=100J

 

 

となります。

 

 

よって答えは100Jです。

 

 

 

2.仕事の意味

物体に仕事をすると、物体のもつエネルギーが変化します。

 

上の例1や例3は物体が持ち上げられています。つまり「高さ」が変化しています。

 

 

 

「高さ」によって変化するエネルギーは位置エネルギーです。

 

つまり「持ち上げる」という仕事をすることで、物体の持つ位置エネルギーが増加しています。

 

 

 

3.仕事率

●仕事率

 

1秒あたりにする仕事のこと。仕事の能率を表す。単位はW(ワット)。

 

仕事率(W)= 仕事の量(J)÷ 時間(秒)

 

 

 

仕事率は、1秒あたりに何Jの仕事をしているかを表します。

 

単位はWを使います。(「J/秒」と書くこともできます)

 

 

 

 

 

 

- POINT -

 

・仕事の計算では「加える力の向き」と「物体の動く向き」が一致している必要がある。

 

・一致していなければ仕事は0J。