1.輪軸を使った仕事
↓の図は輪軸を正面から見た図です。
小さい輪が半径10cm、大きい輪が半径20cmです。
小さい輪に糸で取り付けた5kgの物体を持ち上げるために、大きい輪に取り付けた糸を引っ張ります。
① てこに置き換える
輪軸の考え方は「てこ」とまったく同じです。(てこを使った仕事① てこを使った仕事②)
輪軸は↓の図のようなてこに置き換えることができます。
②「力×うでの長さ=一定」を使って力を求める
てこの場合は「力×うでの長さ=一定」という関係式が使えました。
ここでは手が引く力をx(N)としましょう。
支点より左側では
力×うでの長さ=50N×10cm ・・・①
支点より右側では
力×うでの長さ=x(N)×20cm ・・・②
①と②は等しいので
50N×10cm=x(N)×20cm
これを解いてx=25N
よって手が引く力は25Nとわかりました。
③ 物体がされた仕事=手がした仕事
仕事は次のように求められます。
仕事=力(N)×力の向きに動いた距離(m)
50Nの物体を4m引き上げようとしているので
物体がされた仕事=50N×4m=200J ・・・①
手が引いた距離をy(m)とすると、25Nをy(m)引いたことになるので
手がした仕事=25N×y(m)=25y(J) ・・・②
①と②は等しいので
200=25y
これを解いてy=8m
よって手が引いた距離は8mとわかります。
2.例題
↓の図のような装置を使って3kgの物体を5m引き上げた。
このとき、あとの問いに答えよ。
(1)手が糸を引いた力は何Nか。
(2)手が糸を引いた距離は何mか。
【解答】
(1)
輪軸を↓のようにてこに置き換えてみましょう。
手が糸を引く力をx(N)として、「力×うでの長さ=一定」の関係を使います。
支点より左側では
力×うでの長さ=30N×15cm ・・・①
支点より右側では
力×うでの長さ=x(N)×6cm ・・・②
①と②は等しいので
30N×15cm=x(N)×6cm
これを解いてx=75N
よって正解は75Nです。
(2)
手が糸を引く距離をy(m)として、「物体がされた仕事=手がした仕事」の関係を使います。
30Nの物体を5m引き上げようとしているので
物体がされた仕事=30N×5m=150J ・・・①
手が引いた距離をy(m)とすると、75Nをy(m)引いたことになるので
手がした仕事=75N×y(m)=75y(J) ・・・②
①と②は等しいので
150=75y
これを解いてy=2m
よって正解は2mです。
・輪軸はてこに置き換えて考えよう!