成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#112~輪軸を使った仕事~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

1.輪軸を使った仕事

↓の図は輪軸を正面から見た図です。

 

 

 

 

小さい輪が半径10cm、大きい輪が半径20cmです。

 

小さい輪に糸で取り付けた5kgの物体を持ち上げるために、大きい輪に取り付けた糸を引っ張ります。

 

 

 

てこに置き換える

輪軸の考え方は「てこ」とまったく同じです。(てこを使った仕事① てこを使った仕事②)

 

 

輪軸は↓の図のようなてこに置き換えることができます。

 

 

 

 

 

「力×うでの長さ=一定」を使って力を求める

てこの場合は「力×うでの長さ=一定」という関係式が使えました。

 

 

ここでは手が引く力をx(N)としましょう。

 

 

 

支点より左側では

 

  力×うでの長さ=50N×10cm ・・・①

 

 

 

 

支点より右側では

 

  力×うでの長さ=x(N)×20cm ・・・②

 

 

 

 

①と②は等しいので

 

  50N×10cm=x(N)×20cm

 

 

 

これを解いてx=25N

 

 

 

 

よって手が引く力は25Nとわかりました。

 

 

 

 

 物体がされた仕事=手がした仕事

仕事は次のように求められます。

 

 

  仕事=力(N)×力の向きに動いた距離(m)

 

 

 

 

50Nの物体を4m引き上げようとしているので

 

  物体がされた仕事=50N×4m=200J ・・・①

 

 

 

 

手が引いた距離をy(m)とすると、25Nをy(m)引いたことになるので

 

  手がした仕事=25N×y(m)=25y(J) ・・・②

 

 

 

 

①と②は等しいので

 

  200=25y

 

 

 

これを解いてy=8m

 

 

 

 

よって手が引いた距離は8mとわかります。

 

 

 

 

2.例題

↓の図のような装置を使って3kgの物体を5m引き上げた。

 

このとき、あとの問いに答えよ。

 

 

 

 

(1)手が糸を引いた力は何Nか。

 

(2)手が糸を引いた距離は何mか。

 

 


 

 

【解答】

 

 

(1)

 

輪軸を↓のようにてこに置き換えてみましょう。

 

 

 

 

手が糸を引く力をx(N)として、「力×うでの長さ=一定の関係を使います。

 

 

 

支点より左側では

 

  力×うでの長さ=30N×15cm ・・・①

 

 

 

 

支点より右側では

 

  力×うでの長さ=x(N)×6cm ・・・②

 

 

 

 

①と②は等しいので

 

  30N×15cm=x(N)×6cm

 

 

 

これを解いてx=75N

 

 

 

 

よって正解は75Nです。

 

 

 

 

 

(2)

 

手が糸を引く距離をy(m)として、「物体がされた仕事=手がした仕事」の関係を使います。

 

 

 

 

30Nの物体を5m引き上げようとしているので

 

  物体がされた仕事=30N×5m=150J ・・・①

 

 

 

 

手が引いた距離をy(m)とすると、75Nをy(m)引いたことになるので

 

  手がした仕事=75N×y(m)=75y(J) ・・・②

 

 

 

 

①と②は等しいので

 

  150=75y

 

 

 

これを解いてy=2m

 

 

 

 

よって正解は2mです。

 

 

 

- POINT -

 

・輪軸はてこに置き換えて考えよう!