成績アップの秘訣~基礎と実践のバランス「中学理科#116~エネルギーの変換効率~」 勉強が好きになる小中高生向け学習塾「札幌自学塾」 

 

1.エネルギーの変換効率とは

たとえば、扇風機に電気エネルギーを与えたとしましょう(電源を入れる)。

 

すると扇風機のはねが回り出します。

 

これは電気エネルギーが運動エネルギーに変換されたということです。

 

 

しかし変換されたエネルギーは運動エネルギーだけではありません。

 

扇風機は動いているとき、音がしたリ、熱を持ったりしますよね。

 

 

つまり

 

  扇風機が得た電気エネルギー=運動エネルギー+音などのエネルギー

 

 

となっています。

 

 

得たエネルギーは、目的ではないエネルギーにも変換されてしまうのです。

 

 

このとき「得たエネルギーのうち何%が目的のエネルギーへと変換されたか」を表す割合を変換効率といいます。

 

 

 

 

 

2.エネルギーの変換効率を調べる

 

例題

↓の図は巻き上げ機で物体を持ち上げている様子である。

 

巻き上げ機の電気エネルギーが物体の位置エネルギーに変わる際のエネルギー変換効率を求めよ。

 


 

 

【解答】

 

 

まず巻き上げ機が得た電気エネルギーを求めましょう。

 

 

※電気エネルギーを求める式↓

 

  電気エネルギー(J)=電力(W)×時間(秒)

 

 

 

巻き上げ機の電圧が40V、電流が3Aであることから、

 

  巻き上げ機の電力(W)=40V×3A=120W

 

 

 

よって

 

  巻き上げ機が得た電気エネルギー(J)=120W×5秒=600J・・・①

 

 

とわかります。

 

 

 

 

一方で10kgの物体が4.5m持ち上げられていることから、

 

  物体が得た位置エネルギー(J)=100N×4.5m=450J・・・②

 

 

 

 

 

①、②より、エネルギーの変換効率は

 

 

 

となり、よって正解は75%です。

 

 

 

3.電球のエネルギー変換効率

最近の電球はよくLEDが使われていますが、これはエネルギーの変換効率がいいからです。

 

電球の進化は、白熱電球→蛍光灯→LEDライトというように効率がよい形に変わっています。

 

 

電球は電気エネルギーを光エネルギーに変えるための道具ですが、一部は熱エネルギーにも変換されます。

 

白熱電球の場合、その変換効率は10%ほどで、残りの90%は熱エネルギーになってしまうのです。

 

 

一方LEDの変換効率は30%~50%ほどで、白熱電球よりも効率がいいことがわかります。

 

 

このような照明器具の場合は、変換効率がよいほど同じ電力で多くの光が発生するので、エネルギーの有効活用となります。