1.鏡に映る像
例題
↓の図は、鏡とその前に置かれたA~Eの5つの物体、および観測者の目の位置を上から見たものである。
観測者が鏡を見たとき、鏡に映る像を見ることができないのはA~Eのどれか。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=474x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i256c6f1febcb9e9e/version/1696979165/image.png)
反射の問題で大事なのは、
①鏡に引いた垂線
②像の位置を正しく作図する
ということです。
この場合は
②像の位置を正しく作図する
ことが重要です。
像は鏡を対称の軸として線対称な位置にできます。
作図すると↓のようになります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=520x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/if7a00872b5c7a0f9/version/1696979200/image.png)
この像を見ることができるかどうかは、鏡の両端に向かって線を引いてみるとわかります。
↓の図の赤色の部分に像があるかどうかを確認しましょう。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=619x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/ibac2ab388ff4a014/version/1696979241/image.png)
赤色の部分にあれば、その像は「鏡に映った像」として見ることができます。
よってこの場合は、A・B・C・Dの像は見ることができます。
一方でEの像は見ることができません。
したがって正解はEとなります。
2.合わせ鏡
次のように鏡Aと鏡Bを90度の角をなすように置きました。
その間に物体Pと観測者がいます。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=370x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i5309591551b6b384/version/1696981514/image.png)
このとき、観測者はPの像をどのようにして見ることができるのでしょうか。
鏡Aで反射する光
Pが鏡Aに映るときを考えます。
Pの像P’₁を鏡Aに対して線対称な位置に作図します。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=370x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/iebea2cc7d68fbdc2/version/1696981709/image.png)
P’₁を利用して光の通り道を作図すると↓のようになります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=389x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/ifd0fb0e2b40fa67b/version/1696981532/image.png)
鏡Bで反射する光
Pが鏡Bに映るときを考えます。
Pの像P’₂を鏡Bに対して線対称な位置に作図します。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=245x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/ie79a8b9547cd775b/version/1696981739/image.png)
P’₂を利用して光の通り道を作図すると↓のようになります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=245x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i1beeb030b87d8d19/version/1696981747/image.png)
鏡A・Bの両方に反射する光
ここまでで↓の図のように、2つの像P’₁とP’₂があることがわかりました。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=393x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i42ebe634e471eef5/version/1696982282/image.png)
鏡AにはP’₁という像が映っています。
しかし映るのはP’₁だけではありません。
鏡Aには鏡Bも映りこんでいるはずです。
その像は↓のようになります。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=508x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/id8ea9de60021176a/version/1696982291/image.png)
鏡Aには、Pの像P’₁と鏡Bの像が同時に映りこんでいるのです。
そしてP’₁は「鏡Bの像」にも映りこむはずです。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=508x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i8f6f02b055387b5d/version/1696982297/image.png)
同じことを鏡Bの方でも考えてみましょう。
鏡Bには、Pの像P’₂と鏡Aの像が同時に映りこんでいることになります。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=384x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/ifc812de105605a69/version/1696980544/image.png)
そしてP’₂は「鏡Aの像」に映りこみます。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=399x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/ia6c788e69626667f/version/1696980565/image.png)
これは先ほどの像と重なります。
つまりまとめると↓のようになっています。
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=492x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i84d7e2ad4a0bb9b9/version/1696980586/image.png)
このように90度に並べた2枚の鏡には、像が3つできるのです。
この3つ目の像P’₃から出た光が目に入るようすを作図してみましょう。
まずP’₃と目を線で結びます。
そうすることで光が反射する点がわかります。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=469x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i294465da0612e24c/version/1696980617/image.png)
この点とP’₂を結びます。
そうするともう1つ、光が反射する点がわかります。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=471x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i87bc7ef56fc9c41e/version/1696980665/image.png)
あとはPから直線を引いていきましょう。↓
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=471x10000:format=png/path/sb5ba727e3608fdfa/image/i463ed7560a512db7/version/1696980680/image.png)
今回は90度の角をなすように鏡が置かれていました。
この場合、できる像は3つです。
しかしほかの角度であれば、できる像の数は異なります。
ですが考え方は同じです。
物体だけでなく、鏡の像も考えることがポイントです。