1.二期作と二毛作の違い
■二期作(にきさく)
同じ耕地で1年に2回、同じ作物をつくること。
■二毛作(にもうさく)
同じ耕地で1年に2回、違う作物をつくること。
違いは、作物が同じか違うかです。
もう少し詳しく見ていきましょう。
二期作
二期作とは、同じ耕地で1年に2回、同じ作物をつくることです。
春~夏に作物をつくり、秋~冬にも同じ作物をつくります。
代表的な作物は米(イネ)です。
東南アジアなどや、沖縄で米の二期作が行われています。
二期作のポイントは
あたたかい地域で行われる
です。
米は、夏の1番暑いときに育つ作物です。
たとえば秋に収穫して、そのあと寒かったら育ちません。
そのため二期作は、年間を通してあたたかい地域、すなわち熱帯に近い地域で盛んです。
日本では、かつて高知平野で二期作が行われていました。
しかし日本全体の米の過剰生産によって1970年代からは米の減反(げんたん)政策と呼ばれる生産調整が行われるようになり、二期作はどんどん減っていきました。
現在の高知平野では二期作ではなく、野菜の促成栽培が行われています。
二毛作
二毛作とは、同じ耕地で1年に2回、違う作物をつくることです。
春~夏で作物Aをつくり、秋~冬に別の作物Bをつくる、という具合です。
このとき、中心的な方の作物の栽培を表作、もう一方の作物の栽培を裏作と呼びます。
日本の二毛作は、春~夏は米、秋~冬に小麦が一般的です。
二毛作がさかんな地域は、九州地方の筑紫平野です。
米の産地として有名な筑紫平野ですが、米をつくったあとの耕地で、麦類や畳表の原料となるイグサなどを栽培していました。
しかし最近では、米作農家に加えて野菜を栽培する農家も増え、麦類の生産が減って二毛作は減少しています。
輪作
最後に「輪作」というものも紹介しておきます。
■輪作(りんさく)
同じ土地に別の種類の農作物を、年ごとに順番を決めて栽培すること。
毎年、違う作物をつくるんですね。
輪作が行われる理由は
連鎖障害を避けるため
です。
連鎖障害とは、同じ作物をつくり続けることで、生育力が弱ったり品質が低下することをいいます。
焼き畑農業も、目的がこれに似ていますね。
作物を同じ場所でつくり続けていると、土の栄養がなくなってくる。
そのためいったん畑を放置(森林に戻す)。
その森林を焼き、畑にする。
その灰が肥料になり、また作物が育つ。
これが焼き畑農業です。
2.まとめ
それでは二期作と二毛作の違いをもう一度整理しておきましょう。
二期作は、1年に同じ土地で同じ作物を2回栽培して収穫することで、一般的には米の二期作をさします。
現在、日本ではほとんど行われなくなりました。
二毛作は、1年に同じ土地で異なる2種類の作物を、異なった時期に栽培することで、米と麦類の組み合わせなどで行われます。
しかし二毛作もまた、現在は減少しています。
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