1.園芸農業と近郊農業の違い
■園芸農業
都市への出荷を目的に、野菜や果物、草花などを栽培する農業。
■近郊農業
都市への出荷を目的に、大都市近郊で、野菜や果物、草花などを栽培する農業。
都市への出荷を目的とした農業を園芸農業といい、
その中でも、都市周辺で行われているものを近郊農業といいます。
近郊農業の方は、場所が大都市の近郊に限定されている
というのがポイントです。
それぞれの農業は、行われている場所に違いがあると理解しておくとよいでしょう。
2.近郊農業
近郊農業とは前述のとおり、都市の消費者向けに、都市部に近い地域で行われる農業のことです。
生産されるものは鮮度が求められるものが多く、野菜・果物・花・鶏卵・牛乳・食肉などさまざまです。
消費者と生産者の距離が近いため、輸送にかかる時間や費用といったコストを安く抑えられるというメリットがあります。
生産コストが安くなると、消費者側も新鮮な農産物を安く買うことができます。
- 近郊農業のメリット -
- 出荷する場所が近いので、新鮮な状態で出荷できる。
- 輸送費を抑えられるので、安く販売できる。
ところが交通網の発達にともなって、少し離れた地域からも新鮮な農産物を運べるようになってきました。
これでは近郊農業のメリットを活かすことができなくなります。
そこで、促成栽培や抑制栽培といった生産時期をずらす技術が発達しました。
このように、消費者の近くで生産する近郊農業ではさまざまな工夫が行われています。
近郊農業が盛んな地域
日本で近郊農業が盛んな地域として、関東地方があげられます。
近郊農業は大都市の近郊で盛んに行われるので、日本最大の都市圏である東京大都市圏の周辺でも活発です。
関東地方には関東平野をはじめとする平野部が多いため、こうした平野部の台地で発展しました。
平野部が多いと言っても、そこに住んでいる人口も多いため、北海道のように広大な耕地は確保できません。
そのため近郊農業では、同じ畑で何度も収穫できる農産物がよく作られています。
また、名古屋近郊や京阪神近郊などの園芸農業も、近郊農業に属することになります。
3.園芸農業
園芸農業とは、都市への出荷を目的に野菜や果物、草花などを栽培する農業のことでした。
その園芸農業は、次の2つに分類することができます。
■施設園芸農業
温室などの施設を使って行う園芸農業のこと。
■輸送園芸農業
トラックやフェリーなどを使って農産物を輸送する園芸農業のこと。
園芸農業が盛んな地域
日本では、特に中部地方の東海で園芸農業が盛んです。
その理由は大きく分けて2つあります。
理由①
- 東海は冬でも温暖なため、温室にかかる燃料費を抑えられる。
理由②
- 東名高速道路などの交通網が発達しており、離れた都市へも輸送しやすい。
理由①は施設園芸農業、理由②は輸送園芸農業を行う上での大きなメリットです。
こうした理由から、東海では菊・ガーベラなどの切り花、イチゴ・メロンなどさまざまな農産物が園芸農業で作られています。
4.まとめ
それでは最後に、園芸農業と近郊農業の違いをもう一度整理しておきましょう。
園芸農業は、都市への出荷を目的に、野菜や果物、草花などを栽培する農業。
近郊農業は、都市への出荷を目的に、大都市近郊で野菜や果物、草花などを栽培する農業。
すなわち、近郊農業は園芸農業の一種ということになります。
次回は「漁業の種類(遠洋・沖合・沿岸・養殖)」です!
詳しく「札幌自学塾」を知りたい方は、ホームページを参照してください! こちらをクリック>>
無料体験・申し込みは、「お問い合わせ欄」からメールしてください! こちらをクリック>>