1.プランテーション農業とは?
プランテーション農業とは、熱帯地域で行われる栽植農業のことをいいます。
ヨーロッパの国が植民地をつくって支配していたときに開始されました。
プランテーション農業には、大きな特色が3つあります。
1つ目は、熱帯の大きな農園で大規模に行われる。
この農園を普通プランテーションといいます。
2つ目は、ヨーロッパなどではつくれない熱帯特有の作物を、1種類にしぼって集中的に栽培する。
この1つの作物を集中的に育てることをモノカルチャー(単一栽培)といいます。
3つ目は、働くのは現地の人または送り込まれた人。
ただ現在では植民地はみんな独立したので、国や現地の人、新しくやってきた外国の会社がその農園を引き継いでいます。
これも同じようにプランテーション農業といいます。
- プランテーション農業の特徴 -
- 熱帯の大きな農園で、大規模に行われる
- 熱帯特有の作物を、1種類だけ集中的に生産する
- 現地の人や送り込んだ人に安く働かせる
では、プランテーション農業で栽培される具体的な作物の名前をあげてみましょう。
植民地時代から多かったのが、
コーヒー、茶、サトウキビ、天然ゴム。
今、日本に多く輸入されているバナナ、
マーガリンなどの原料になるパーム油がとれるアブラヤシ。
どれもヨーロッパではつくれないものばかりです。
2.どんな地域で行われる?
プランテーションは熱帯の農園です。
ですので、アジアの中でも特に雨の多い
東南アジアや南アジアといった熱帯地域の国
で行われています。
たとえば・・・
東南アジアのマレーシアはイギリスの植民地でしたが、ここでは天然ゴムの大農園が開かれました。
天然ゴムはタイヤの原料に適しています。自動車の普及によって、大量に必要になったのです。
この天然ゴムは、ゴムの木にナイフで傷をつけると出てくるゴムの液を回収してつくるのですが、この回収作業には多くの労働力が必要になります。
そこでイギリスはインドから人を連れてきたので、今のマレーシアにはインド人も多く住んでいるというわけです。
ということは、このインドもイギリスの植民地だったということですね。
このインド植民地で、イギリス人がプランテーションの作物として栽培したのが、リプトン紅茶などで知られる茶です。
(リプトンというのは農園を開いた人の名前です)
アッサム(インド)やセイロン島は、茶の産地として有名ですね。
セイロン島は現在、スリランカという国です。
ここもまた、当時はイギリスの植民地でした。
さらに、いま日本に多く輸入されているバナナも、フィリピンのプランテーション農業で作られているものが圧倒的です。
また、パーム油はインドネシアとマレーシアで世界の8割以上を占めています。
近年多いベトナムのコーヒーも要チェックっです。コーヒー王国南米のブラジルについで、なんと世界2位となっています。
- アジアのプランテーション農業 -
(国・・・作物)
- マレーシア ・・・・・・・・・ 天然ゴム
- インド・スリランカ ・・・・・ 茶
- フィリピン ・・・・・・・・・ バナナ
- インドネシア・マレーシア ・・ パーム油
- ベトナム ・・・・・・・・・・ コーヒー
3.プランテーション農業のメリット・デメリット
プランテーション農業はモノカルチャーですので、同じ作物ばかりをつくります。
これは多くのものをいろいろつくるより、生産や管理に集中しやすい、ということになりますね。
- プランテーション農業のメリット -
- 生産や管理に集中しやすいから、栽培がしやすい。
一方、1つの作物に集中しているということは、
その作物の弱点となる病害虫が発生したり、異常気象が起こったりした場合、大ダメージとなります。
このデメリット対策として、最近はモノカルチャーではなく、多くのものを栽培する多角経営に変える国も増えています。
たとえば、マレーシアではゴムの木が古くなると新しく植え直すことをやめて、アブラヤシの木を植える、という具合です。
これによって天然ゴムの生産はマレーシアでは減ってしまって、となりのタイやインドネシアに抜かれています。
- プランテーション農業のデメリット -
- 1つの作物に集中している分、害虫が発生したり異常現象が起こったりすると、作物の収穫量に致命的なダメージが……
★ まとめ ★
■ プランテーション農業とは
⇒熱帯の大きな農園で、安価な労働力を使って、同一作物を集中的に生産する農業のこと。
■ 主な国と作物
⇒マレーシアの天然ゴム、インド・スリランカの茶、フィリピンのバナナ。
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