1.地中海性気候とは?
地中海性気候の特徴は、夏と冬で大きな差があることです。
夏は、雨がほとんど降らず、高温で乾燥します。
そして、草も枯れてしまいます。草原があるところは茶褐色という感じになります。
夏だけなら、乾燥帯と変わらないような気候です。
暑くても乾燥しているので、日本のように蒸し暑くはありません。
一方、
冬は、雨が多く温暖です。
なので草原も緑が復活します。
とはいえ、降水量が非常に多いということでもありません。
- 地中海性気候の特徴 -
- 夏は高温で乾燥
- 冬は温暖で雨が降る
なぜ夏は乾燥して、冬に雨が降るのか?
この疑問には、次のように考えます。
ヨーロッパの南にはアフリカ大陸があります。
その北部には、年中高気圧に覆われて雨の降らない広大なサハラ砂漠が分布しています。
ヨーロッパの中部は、年中偏西風が吹いて、年中雨のよく降る気候になっています(西岸海洋性気候といいます)。
地中海の沿岸はちょうどその間にあるので、気圧配置が移動することによって、
夏はサハラ砂漠をつくっている高気圧の、冬は偏西風の影響をそれぞれ受けることになります。
そういう理由で、夏と冬で大きな差が出ることになるのです。
2.地中海性気候の国はどこ?
地中海性気候は地中海の沿岸に分布します。
国の名前をあげるとすると、どこでしょう?
(出典:europa-japan)
まずは、地中海に突き出しているイタリアがそうですね。
しかしこのイタリアに関しては少し注意が必要です。
イタリアの北部は地中海性気候ではありません。
イタリア北部はアルプス山脈の麓にあたります。
ここは、年中雨の降る気候となっています。間違えないようにしましょう。
ほかには、スペイン、ポルトガル、ギリシャも地中海性気候です。
そしてもう一つ、フランスの地中海沿岸部も忘れないようにしましょう。
- 地中海性気候の国 -
(西から東の順)
- ポルトガル
- スペイン
- フランス地中海沿岸部
- イタリア半島部
- ギリシャ
3.地中海性気候での農業
地中海性気候の地域では、地中海式農業が行われています。
この地中海式農業の特徴は、3つです。
1つ目は、夏の乾燥に強いオリーブやブドウ、オレンジなどの樹木作物の栽培が多いことです。
これらを主に商品にするんですね。
2つ目は、冬に雨が降るので、小麦を栽培します。
3つ目は、家畜は、やはり乾燥に強い羊の飼育が多いことです。
気候の特徴と関連づけて、しっかりとおさえておきましょう。
- 地中海式農業の3つの特徴 -
- 夏は、乾燥に強いオリーブやブドウ、オレンジを栽培
- 冬は、雨が降るので、小麦を栽培
- 家畜は、乾燥に強い羊を飼育
4.地中海性気候と住居の関連
地中海性気候の地域では、石造りの家が多いです。
地中海やギリシャのエーゲ海の島の、白い石造りの建物が並ぶ風景は、よく見たことがあるのではないでしょうか?
地中海沿岸に石造りの家が多いのは、気候と関連しています。
ヨーロッパの住居の材料を調べてみると、
冷涼な気候で雨も降る北部では、針葉樹が多く分布しているので、木造の家が多くなっています。
中部では、木造と石造りの両方が見られます。
そして夏に乾燥する南部の地中海沿岸は、今では森林がほとんどないので、石造りの家が多くなっています。
- 地中海性気候の住居 -
-
石造りの家が多い
理由・・・夏に乾燥する気候なので、森林がほとんどないため
次回は「スペイン地理【一問一答】」です!
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