1.光の屈折
●光の屈折
光が異なる物質を進むときに、その境界面で折れ曲がる現象。
光には「同じ物質を進む限り直進する」という性質があります。
しかし、光が折れ曲がって進むときもあります。
空気中から水中へ光が進む場合
↓のように空気中から水面に向かって、光がやってきたことを考えましょう。
光が入射したところに垂線を引きましょう。
光と垂線の間にある角には名前がついています。↓
※光と水面の間の角には名前がない。
光は水面に当たると一部が反射します。
このとき入射角と反射角は等しくなります。↓
すべての光が反射するわけではありません。
水中を進む光もあります。
光は↓の図の点線の方向に進んでいきたいですが・・・
ここで屈折が起こります。↓
光は空気中より水中の方が進みにくいです。つまり、あまり遠くに行けません。
そのため、上図のように入射角よりも小さい角をつくるように屈折します。
言いかえれば、空気側の角(この場合は入射角)の方が大きくなるように屈折します。
よって空気中から水中へ光が進むとき
入射角 >屈折角
となります。
水中から空気中へ光が進む場合
↓のように水中から出た光が水面に向かってきたことを考えましょう。
先ほどと同様、光が入射したところに垂線を引きます。
垂線との間にできる角は入射角という名前がついています。↓
入射角と同じ大きさの反射角をつくるように、光の一部が反射します。↓
残りの光は↓の図の点線のように空気中に出ようとしますが・・・
ここで屈折が起こります。
今度は空気中へ出るので、水中よりも進みやすいです。
つまり遠くに行くことができます。
よって入射角よりも大きな角をつくるように屈折します。
言いかえれば、空気側の角(この場合は屈折角)の方が大きくなるように屈折します。↓
よって↑の図のように
入射角< 屈折角
となります。
2.全反射
●全反射
水(ガラス)の中から空気中へ光が進もうとするとき、光がすべて反射する現象。
この現象を利用した道具の代表例が光ファイバー。
↓の図のように水中から空気中へ光が進む場合を見てみましょう。
水面にやってきた光は
・一部は反射する
・残りの光は屈折する
という2通りの進み方があります。
このうち屈折については、
空気側の角が大きくなるように屈折します。↓
では入射角を大きくしていくとどうなるでしょうか。
↑の図のように一定以上入射角を大きくすると「反射」と「屈折」のうち「屈折」が起こらなくなります。
つまり光がすべて反射しているということです。
このような現象を全反射といいます。
「空気中から水中に進むとき」では全反射は起こりません。
「水中から空気中に進むとき」だけ全反射は起こると覚えておきましょう。
この全反射を利用した器具として、光ファイバーがあります。
インターネット関係で「光回線」という言葉がありますが、そのケーブルに使われているのが光ファイバーです。
・光が屈折するとき、空気側にできる角の方が大きくなる。
・光が水中から空気中へ出ようとするとき、入射角が大きすぎると全反射が起こる。